こんにちは。『本をならべてモザイクアート』のくれなです。
私たちは、大佛次郎と深い関わりがある「本」と、いろんな人に参加してもらえそうな「イベント」を組み合わせて、『本をならべてモザイクアート』を開催しました。
高校を卒業して、大学に入学して、自由に使える時間が増えた。大学の授業を受けて、サークルやバイトに行って…こんな大学生活を4年間も続けるのは、なんだか時間がもったいないなあと思った。それなら、他の人とは違うような、もっと自分の将来に役立つような、大人になってからは経験できないような時間の使い方をしたい。もっと有意義な時間の使い方ができるはずだと思った。
「私はモノづくりに興味があり、理工学部に所属しています。モノづくりには、専門的な知識の他、問題を解決するより良いアイデアが必要だと考えています。そのようなアイデアを考える際に大切なことは、物事を多角的に捉え、様々な観点から考えることです。そのためには、より多くの人と交流し、自分とは違うモノの見方や考え方に触れることが大事だと思います。私が今回、横浜市×ハナラボプロジェクトに参加することになったら、他大学の他学部の大学生との意見交換を通して、互いに切磋琢磨できる有意義な時間を作っていきたいです。また、メンバーが女子大生ということで、文系の人ともたくさん交流できると期待しています。このプロジェクトを通して、自分の視野を広げ、お互いを高め合える仲間と出会えたら良いなと思っています。」
こんなにもあらたまった参加理由を書いて、このプロジェクトに応募したけれど、実際に参加してみると、他のメンバーの雰囲気はかなり違った。切磋琢磨というよりは、その場を楽しんでいる雰囲気だった。とにかく、アイディア発想フェーズは楽しかった。お弁当もすごくおいしかったし!
特に私のチームは、いつも笑いが絶えず、他のどのチームよりも楽しんでいたと思う。チームの3人が全く別の趣味や考え方だったから、最初から最後までなかなか意見はまとまらなかったけれど、だからこそいろいろなアイディアが出てきて、何よりそれが面白かった。
そして、アイデアで課題を解決することは、やっぱり素敵なことだと改めて思った。お金をかければできること、だれかの真似をしたら上手くいくこと、言われたようにやれば誰でもできること…それぞれの良いところはもちろんあるけれど、それではどうにもできないときも中にはあるし、新しいアイディアで新たなものを創り出すのが一番楽しい!
だけど、夏休みからの実行フェーズに入ってからは思うようにいかないことが多くなった。
今まで誰もやったことの無いイベントだからこそ、やってみたい!と思ったけれど、裏を返せば全て自分たちで考えなければならなかった。誰に聞いても答えは見つからないし、正解かどうかさえ誰もわからない…考えれば考えるほどに、考えなければならないことが増えていって、気づけばスタバで何時間も話し合っていたり、深夜までLINEが続いた日も少なくなかった。
そんな中、チームのメンバーが1人やめることになった。それまで3ヶ月間、ずっと一緒に頑張ってきた大切な仲間だったから、1人いなくなるだけでとても寂しくなった。そして、とても心細くなった。
夏休みが終わってからは、それまで2人の気力と体力を補っていた時間が、どうも足りなくなった。余裕がなくなると次第に、相手のことが、つまり、まりさんのことが、思いやれなくなってしまった。学校のレポートや試験、学園祭直前のサークル活動、バイト、このプロジェクト…どう両立すればいいのか、分からなくなってしまった。どうすることもできず、1人になると途端に不安になって、電車の中で涙を堪えるときもあった。
それからは、それまで以上にいろんな人に相談したり、力を貸してもらったりした。
ネットや新聞を通して、徐々にたくさんの人にこのプロジェクトのことを知ってもらえるようになった。何も伝えていない友達に、「赤レンガのポスター見たよ!すごいね。」って言われたときは、広まっている実感がして、すごく嬉しかった!
最終的には、ここに挙げていったらきりがないくらいの人に協力してもらった。私たちの顔見知りの人だけではなくて、会ったことのない人にも。
そして、無事に目標だった約5000冊の文庫本を集めることができた。
私は今まで自分のベストを尽くすことが一番大事だと思っていた。だけど、いろんな立場のたくさんの人と関わることになって初めて、他の人に相談すること、他の人と協力することの大切さが分かった。
そして、18年間の中で出会ってきた小学校、中学校、高校、大学の友達の存在の大きさに気づいた。中には、8年ぶりに会った友達もいた。普段のくだらない会話ももちろん楽しいけれど、本当に困ったとき、不安で押しつぶされそうなときに、すぐ寄り添ってくれる友達は本当に大切だと改めて感じたし、そんな友達に囲まれている私は本当に幸せ。そして、私も何か力になれるようなことがあれば、いつでもなんでも協力したいと思った。
11月28日に約3000冊の文庫本を使って、『本をならべてモザイクアート』を開催した。
このプロジェクトがきちんと終われたのは、間違いなく、まりさんと一緒だったからだ。他の人だったら上手くいかなかったと思う…自己中心的で見栄っ張りな私だから、私の存在は、時にまりさんにとってマイナスになって、むしろ邪魔なときがあったかもしれない。
けれど、私はまりさんからいろいろなことを学んだ。まりさんは、いつも全てのことに向き合っていた。リスクマネジメントがちゃんとできていた。私なら、「そんなこと、後でどうにでもなる」と考えることも、まりさんはきちんと解決策を考えていた。その方が、後々上手くいくことも分かった。だから、全てにきちんと向き合っていきたい。そう思えるようになった。
このプロジェクトを通して、私はやりたいことがなんとなく分かった気がした。それと同時に、やりたくないことも分かった気がする。
みなとみらい駅に行くたびに、大倉山を通るたびに、ブックオフの文字を目にするたびに、重いダンボールを持つたびに、文庫本を見るたびに…私は今でもあのときのことを思い出す。このブログを書くために、一体どのくらいの時間をかけたのか自分でもよく分からない。このプロジェクトのことを思い出すたびに、いろんな気持ちが入り混じる。だけど、そのくらい私にとっては大きな出来事だった。
ああ、こんなに長くなってしまった私のブログを、最初から最後まで読んでくれる人はそういないだろうから、このブログは自分のために書いたものだとして、これから先、何か思い悩むことがあったとき、またこのブログを読んでこのときの自分を思い出すことにしよう。