私たちのチームは、大佛次郎に深い関わりのある「本」を使ったイベントの開催を目標にプロジェクトに取り組みました。

私は、大学3年の前期が始まる頃、友人がいきいきとインターンシップに取り組んでいる姿を見て、「自分も何かをしたいなぁ」なんとなく思っていました。

そんなときに、「ヨコハマ ハコいりムスメプロジェクト」の前年度の紹介動画を見ました。

私は、アイデアを考えたり、チームで何かに取り組むことが好きだったので、この動画を見て、「やってみたい!」と思いました。そして、参加する自分を想像してわくわくしました。

それと同時に、人前で話すことが苦手で、これまで他大学の学生と関わることもなかったので「意識の高い学生が集まるところに、自分は馴染めるのかな」という気持ちもありました。

いつもなら、できない理由を見つけてあきらめていましたが、このときは思い切って応募していました。

6月7日、「ヨコハマ ハコいりムスメプロジェクト」の活動が始まりました。

ワークショップでは、プレゼンをする事が何度もありました。私は、人前で話すことや、自分の考えを伝えるのが苦手だったので、自分の番が来るたびにドキドキしていました。

このとき、私は「プレゼンが苦手ということをみんなに気づかれないようにやろう」と意識していました。

そうしたら、自然と自分の意見を言うことに対して苦ではなくなり、それ以上に、もっとちゃんと伝えたいと思うようになっていました。

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チームでの活動が始まりました。

チーム名は、時間がなかったので、勢いで「みんな紺が好きだね、紺はフランス語でmarine?じゃあ、marineで!」というふうに決まりました。

私たちのチームは、共通点はほとんどなかったけれど、休憩時間も帰りもずっとプロジェクトの話ばかりをしていて、いつもニコニコしていました。

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そして、自分たちで考えたたくさんアイデアの中から、「本をならべてモザイクアート」という企画に決めました。何にするか本当に悩みました。

「本をならべてモザイクアート」は、横浜市民を中心に読まなくなった文庫本を集めて、巨大なモザイクアートを作るイベントです。

大佛次郎や記念館を知ってもらうだけではなく、モザイクアートを作ることで「人をつなげる」「本に興味を持ってもらう」ような工夫も取り入れました。

企画を発表する中間報告会の日には、元町のスタバに朝の7時頃に集まってプレゼンの練習をしたのを覚えています。プレゼン中の寸劇の棒読みは直りませんでした(^-^;)

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報告会後、発表を聞いていた人からは「面白いけど、本当にできるのか」という声があったので、少し落ち込みました。

それでも、私たちは企画の内容を変えることなく、11月のイベントに向けて活動を始めました。夏休みは、ほぼ毎日のようにチームで集まりました。

去年のスケジュール帳を見ると、びっしり予定が埋まっています(*_*)でも、こうやってバタバタしているのも好きでした。

まずは、どうやったら実現できるのか、色々な人にアドバイスをいただきました。でも、色々な人からお話を聞いて、頭の中がいっぱいいっぱいになりました。

それは、企画を立てたのはいいものの、どうやって本を集めるのか、そのあとの本はどうするのか、どうやって作るのか、どこでやるのか、自分たちでも考えられていなかったからです。

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その後、ブックオフ オンライン様に協力していただくことになりました。

自分たちの企画は相手にとってどんなメリットになるのか、私たちにはどんなことができるのかを考えてプレゼンしました。

初めて、企業の方に向けてプレゼンをしたので、本当に緊張しました。

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本を集めるのは、本当に大変でした。 募集のポスターを作成し、回収ボックスを設置させていただくために色々な施設などに企画を説明して回りました。営業活動みたいでした。

企画自体に賛同してもらうことができずに、悔しい思いもしましたが、回数を重ねるごとに、説明がうまくできるようになっていった記憶があります。

それでも、実際に「本を提供してくれる人はいるのか」「集まらないかもしれない」と弱気になっている部分もありました。

でも、本が少しずつ集まっていく様子を見て、自分たちが行動することで、周りを動かすことができるんだ!と感動しました。

この活動までの間に、チームメンバーが2人になりました。 正直、ここまで一緒に頑張ってきた仲間がいなくなることが本当に悲しくて、「どうしよう」と思いました。

でも、今考えると、この出来事があったから「自分たちだけでも、最後まで頑張ろう」という原動力になったのではないかなと思っています。

本も少しずつ集まり、9月25日、250冊の本を使ったモザイクアート制作イベントも無事に成功し、10月4日の最終報告会では、300冊を使ったモザイクアートを展示しました。

そして、11月28日のみなとみらい駅での本番に向けて、新たにスタートしました。

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しかし、夏休みを終えて大学が始まると、思うように活動ができなくなっていました。6月から、ほぼ休みなく企画のことを考えて動いていたので、精神的にも体力的にもとても辛かったです。

私は、これまで限界まで何かをしたことがなかったので、まだ出来る、まだ大丈夫と思っていました。

でも、ハナラボの、角さん、浜島さんに「1週間くらい何もしない日を作って休憩しよう」と言われたときに、自分をふり返って、このままじゃ良くないと気が付きました。

やりたいと思って始めたことが、こなすことで精一杯で自然とやらなきゃいけないことへと変わっていたからです。 「限界ってあるんだなぁ」と思いました。

そこで、目標冊数を8,000冊から5,000冊に規模を小さくして、自分たちのできる規模で企画を立て直しました。それでも、やることはたくさんあって、私自身も、何かやっていないと落ち着かない気持ちがあったので、もうやれるまでやろうと無我夢中で取り組みました。

その後、中華街パーキング協同組合様に協賛していただけることが決まり、少しずつ兆しが見えてきました。

中華街パーキング協同組合様には、友人がインターンシップをしていたつながりから、本の回収ボックス設置のために伺いました。まさか、協賛の話をいただけるとは思っていなかったので、人のつながりで、こんな機会を作ってもらえたことが本当に嬉しかったです。

本は、最終的に約4,800冊集まり、目標の5,000冊をほぼ達成しました。ここから、本格的に3,000冊のモザイクアートを作るために本に番号をふる作業や、配置場所の下書きなどが始まりました。

女子大生の考えた企画だけど、本の入った段ボールを運ぶ姿は、引越業者さんのようだったと思います。

この作業には、プロジェクトの他のチームの学生や、友人、家族、市役所の方々、記念館の方々、企業の方々、本当にたくさんの方に協力していただきました。

地道で、決して楽な作業ではないにも関わらず、私たちのために動いてくださいました。このとき、手を差し伸べてくれる人の存在の大きさを改めて実感しました。

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11月28日、本番。

ついにこの日が来ました。

前日はそわそわして、眠れませんでした。

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当日は、参加者の方々が楽しそうに本をならべている姿を見て、完成したモザイクアートを見て、何とも言えない気持ちでした。

これまでの活動や、作業すべてを思い出しました。

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自分たちの企画が「本当に実現できた!」と、これまでで一番の達成感を感じました。

プロジェクトを終えて… 私は、何かに集中すると、こだわりが強くなってしまうところがあるので、大学の授業とうまく両立できなかったことが反省点のひとつです。

成長したところを言葉にするのは難しいですが、プレゼンや企画を説明する経験を重ねて、人に自分の意見を伝えることが以前より好きになりました。

そして、色々な壁を乗り越えながらプロジェクトををやり遂げることで、自分に自信がつきました。

チームで、何かをすることの大変さ、楽しさも改めて実感しました。こんなに濃い時間を紅奈ちゃんと過ごして、一緒にチャレンジできたことはずっと忘れないと思います。

また、これまでの学生生活に限らず、何かをするときに、人それぞれのモチベーションの違いから、力を入れて取り組むことに対して、「そこまでやらなくてもいいんじゃない」と言われたり、頑張ることがかっこ悪いという周りの雰囲気がとても嫌でした。

このプロジェクトで、一生懸命やることは大変かもしれないけど、すごく楽しいし、私はそうすることが好きだから、これからも一生懸命やっていこうと改めて思いました。

でも、好きな事だけじゃなくて、苦手なこともしっかりやらないといけないですね(‘_’) プロジェクトを通して関わった人との出会いが、私にとって大きな刺激になりました。

本当に、これまでにない良い経験になりました。

ご協力いただいたみなさん、本当にありがとうございました!

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