こんにちは、ハナラボの浜島です。「ハコいりムスメプロジェクト2014」の3日目のレポートをしたいと思います。

第1回は「自分自身の成長」について深め、第2回目は「フィールドワークとインタビュー」を行ない、その中から「チームで取り組むテーマ」を決めました。そして、第3回目は第2回目で決めたテーマについての「アイデア出し」です。

今回は下記のような流れで進めます。

  1. 「文学館ってなんだろう」
  2. 事例紹介
  3. 宿題(事例)をシェア
  4. 課題文を発表
  5. アイデア発想<ブレスト>
  6. アイデア分類<条件チェック+アイデア追加>
  7. 中間プレゼン
  8. 振り返り+次回までの進め方を話し合う
  9. 閉会のあいさつ/宿題および次回のお知らせ

「文学館ってなんだろう」

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アイデア出しの前に、まず、「文学館とは?」を知ることからです。ハナラボの考える文学館の特徴は下記の3つだと考えます。

  1. 図書館と博物館の機能を持つ 資料収集・保管・調査・研究・展示
  2. 市民が「見る」「知る」「読む」体験ができる
  3. 公立の文学館の場合、税金で成り立っている

文学館には、美術館にも博物館にもない特徴として、「読む」という機能があります。「読む」は文学館の特徴ではあるのですが、これを伝えるのは本当に難しいですね。

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そして、次は「地域を変えるミュージアム」の執筆者の一人である乃村工藝社の田中摂さんに事例を紹介いただきました。

『地域を変えるミュージアム』の中ではミュージアムを5つの切り口で紹介しています。

  1. 社会イノベーションの触媒となるミュージアム
  2. コミュニティの魅力を見える化するミュージアム
  3. 人々の協働プロジェクトを促すミュージアム
  4. 価値を共創する拠点となるミュージアム
  5. ワクワクが変化を生み出すミュージアム

ここでは紹介していただいた事例の紹介は省きますが、この本は、素人では捉えにくいミュージアムをわかりやすく整理して紹介してくれてます。また、紹介されている事例は、ミュージアムだけでなく箱モノの活性化全般に利用できると思うのでオススメです。

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事例紹介

次に、宿題として調べてきてもらった「地域の活性事例」を共有しました。日本中、世界中に、地域活性やミュージアムの活性化の事例はたくさんあります。アイデアのヒントにするため、1人3つずつネットや本を使って事例を集めました。調べてきてもらった事例に関しては、また別途共有させていただきます。

課題文を発表

そして、いよいよ活性化のアイデアを考えていきます。下記が、今回取り組む課題とアイデアの条件です。

日本中に点在する、作家をテーマにした文学館。その多くが、来場者数の減少に悩んでいます。港の見える丘公園に佇む、大佛次郎記念館も同じ。大佛次郎は、横浜生まれで横浜をこよなく愛した作家です。著書がドラマや映画になり、1978年の開館から最初の10年間は来館者数が10万人を超えていました。しかし、近年は1万5000人ほどに減少。立地も建物も魅力的。大佛次郎スピリットは現代にも通じる。でも、大佛次郎を知る人は減り、現代の人々との間には距離が広がっていくばかりです。一方で、記念館のスタッフは少なく予算も限られるため、お金をかけたPRや、大掛かりなイベントをする余裕はありません。

大佛次郎スピリットと作品を次世代に伝え、記念館に地域の人々が集うようになるためには、どんな仕掛けが必要でしょうか。一時的ではなく、継続的な活性化につながるアイデアを考えてください。

アイデアの条件は3つ。

  1. 大佛次郎スピリットを感じるものや「大佛次郎記念館」という場だからこそ できるもの
  2. 地域の人々が関われるもの
  3. お金をかけずに実施できるもの(もしくはお金を集めればできるもの)

アイデアの条件の3つがキモです。1は言うまでもないのですが、特に、2と3はハナラボの取り組みの特徴だと思います。

2の地域や周りの大人を巻き込みながら取り組んで行くことは、地域が活性するだけではなく女子大生の成長に繋がります。過去のハナラボメンバーを見ても、地域や周りの大人が関われば関わるほど、彼女たちは成長しています。

3のお金をかけずに実施できるものという制限は、お金がないことで知恵を絞るので良いアイデアが生まれます。しかし、もっと重要なことがあります。今後の日本でのビジネスは、昔のように予算が潤沢にあることは少ないと思います。そういう中でも頭が固くなった大人たち(もちろん私も含めて)はどうしても予算ありきでしかアイデアを出せなくなってます。そんな中、ハナラボで鍛えられた学生たちは予算がゼロの中からアイデアを出して、しかもアクションできます。これは、エリート教育です(笑)

チーム毎にテーマを再確認

次は、前回チームごとに決めたテーマを再確認。下記の用紙に書き出してもらいました。

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テーマ発表

チーム毎に再確認しながらテーマを書き出してもらい、全体に発表してもらいました。

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ハコいりムスメプロジェクト2013のアイデア紹介

お昼休みの後は、去年のハコいりムスメプロジェクトの共有をしました。去年のプロジェクトメンバーのまこ、はづきが今年のスタッフとして参加しているので2人に紹介してもらいました。

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まこからは「レンズで見つめるMy Town」の紹介。このプロジェクトは、アイデア出しの段階では、プロジェクトの内容についてメンバーはあまり満足してなかったのですが、プロジェクトを実施する段階で内容をどんどん改善していき、多くの参加者が集まりました。今、話題の「リーンスタートアップ」ですね。そして、最後は、「PHOTO YOKOHAMA 2014(フォト・ヨコハマ2014)」のパートナーとして横浜マリンタワーで写真展を1週間行ないました。

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はづきからは「次郎学」の紹介。このプロジェクトもアイデア出しの段階では、メンバーの納得度は低かったと思います。しかし、テーマ設定がよく、イベントへの参加希望者が多かったです。そして、私が良かったと思う点は、ゲスト講師の方たちが協力的だったということです。ゲスト講師がメンバーに協力して、メンバーの取り組みを後押ししてくれたので、メンバーも一生懸命できたと思ってます。社会人との繋がりが深ければ深いほど、女子大生は成長します。

アイデア発想

いよいよアイデアを出していきます。アイデア発想する際のルールとして、下記の3つがあります。

アイデア発想のルール

  1. 「いいね!」といいながら
  2. 人のアイデアに乗る
  3. 「無理」「できない」は禁句

3つのルールをざっくりまとめると、「相手を否定しない」ということです。ハナラボではアイデアを出すとき、まず、発想を広げて、その後にまとめていきます。発想を広げる段階で相手を否定してしまうと情報量やアイデアの種の数が減ってしまい、最終的なアイデアが弱いものになってしまいます。

アイデア発想①

「アイデア発想のルール」の3つに気をつけて、まずはチームで5分間出します。いろんな条件は気にせずできるだけたくさんのアイデアを出します。アイデア出しのウォーミングアップの時間です。

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アイデア発想②

次は、ひとりでアイデアを出します。5分間でひとり10個以上のアイデアを出します。遠慮してアイデアを出さなかったり、ほかの人に影響されてアイデアが偏ったりすることがあるので、まずは一人でもくもくとアイデアを書いていきます。

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アイデア発想③

次に、一人10個以上出したアイデアを、チームでシェアしながら、さらにアイデアを追加していきます。約20分間。アイデアを膨らませる時間です。ほかの人が出したアイデアに「いいね!」と言いながら、足していくのがポイントです。

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アイデアのグルーピング

今までに出したアイデアの中で、関連するアイデアをまとめていきます。その中から5〜10個のアイデアを作っていきます。約20分間。キラリと光るアイデアを核に、アイデアを組み合わせたり追加したり。徐々にアイデアの方向性が見えてきました。

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アイデアのブラッシュアップ

次は、実現性と効果をチェックします。模造紙に縦軸、横軸を書きます。縦軸は上が「即効性が高い」、下が「即効性は低い」とします。横軸は左が「継続性は低い」、右が「継続性が高い」とします。そこに今まで出したアイデアを分類していきます。継続性が低く、かつ即効性が低いアイデアでも、工夫次第では変わります。面白いアイデアは捨てずに、どうしたら成果に繋がるかを考えていきます。

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中間プレゼン

最後に、チームごとにプレゼンです。1チーム5分間プレゼンをして、大佛次郎記念館の館長と大房さんから1チームに5分間のフィードバックをお願いしました。

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どのチームもまだアイデアはまとまってないのですが、それぞれの個性が出て、良い種ができたと思います。

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この後、6月22日の中間発表に向けて、チーム毎に集まってもらい、今回出たアイデアの種をさらにブラッシュアップします。

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そして、中間発表後からはアイデアを実行していきます。

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アイデアは、実行するたびに良くなりますし、どんどんチームメンバーの個性が出てきます。今後が楽しみです。

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