ハナラボの角です。5月25日はアイデア発想フェーズの3日目。特別ゲストとして、第一期でもお世話になった乃村工藝社の田中摂さん(ハナラボインターン生の憧れ!)にお越しいただきました!
まず最初にハナラボの浜島さんから「文学館の役割」などについてレクチャー。文学館にはこんな機能があります。みなさん、知ってましたか?
- 図書館と博物館の機能を持ち、資料収集・保管・調査・研究・展示を行う場であること
- 市民が「見る」「知る」「読む」体験ができる場であること
自分自身を振り返ってみると、行ったことのある文学館と言えば、作者が暮らしていた家が文学館になっている・・・つまり作家だけでなく、建物そのものにも魅力がある文学館でした。とはいえ、何度もリピートするかといえば「No」です。では、どんな仕掛けがあれば、リピートするようになるのでしょうか。
そんな疑問に答えてくださるように、田中さんから「地域を変えるミュージアム」の事例を紹介していただきました。「社会とは人々のつながりであり、社会課題とは人々のつながりの課題である。そして、ミュージアムは人々のつながりを生みだす場として、地域を変える力を持ち合せている。」その言葉に、学生たちも励まされたようです。そして、次の5つの視点から事例を解説していただきました。
- 社会イノベーションの触媒となるミュージアム
- コミュニティの魅力を見える化するミュージアム
- 人々の協働プロジェクトを促すミュージアム
- 価値を共創する拠点となるミュージアム
- ワクワクが変化を生み出すミュージアム
とてもわかりやすく解説していただき、学生たちも熱心に聞き入っています。自分たちが目指す方向が見えた!という感じだったのではないかしら。田中さんはこれまで、ミュージアムに関わる仕事や大学の研究員として「場づくり」の研究をされてきました。その研究成果の一つが「地域を変えるミュージアム」として出版されました。様々な視点から全国のミュージアムを取材したもので、巻末にはミュージアムの評価方法についても触れられています。興味のある方はぜひご覧くださいね。
田中さんのお話に加え、学生たちが各自調べてきた事例をシェア。文学館に限らず地域活性化の事例を知ることで、「こんなこと無理そうだなあ」と思うのではなく、逆に可能性を探るようになります。地域活性化においては、事例を知ることはとても大切です。人、場所、そのほか様々な条件が全く同じになることはありませんから、事例を知ったところで「ただの模倣」になることはありません。それよりも、アイデアのヒントになることの方が多いんですよね。
いよいよ、発想タイム〜!と言いたいところですが、まずはチームごとに取り組むテーマを確認しました。「現在の状態」と「理想の状態」をシートにまとめ、そのギャップを埋めるアイデアを考えます。アイデアを考えていると、そもそもの目的を忘れてしまいがち。だから最初に目的を共有するのは、とても大切なんです。
その後、ようやくアイデア出しです。まずはブレスト。ルールは3つです。
- 「いいね!」といいながら
- 人のアイデアに乗る
- 「無理」「できない」は禁句
1と2はあえて言わなくても、自然とそうなることが多いのですが、3はなかなか難しいんですよね。やり方次第では実現できることでも、発想が転換できないと「できない」と思ってしまう。「できない」と口に出さないチームでも、アイデアがなかなか出てこないときは、心で「できない」と思っているのでしょう(笑)。
アイデアが一通り出てきたところで、様々な切り口で分類します。分類したところで、発表。ほかのチームからも意見がどんどん出てきます。よいアイデアを作るためにも、できるだけシェアの時間を作っています。それぞれが係わり合うことで、アイデアが発展する可能性もあるからです。館長や職員のみなさんからも前向きな意見をいただき、「無理かも」が「できるかも!」に変化した様子。
ここでタイムオーバー。これから先は、チームごとに集まってミーティングを行い、アイデアを深め、プレゼンの準備を進めます。3週間でよくここまでアイデアを出せたなあと感心、感心!しつこいようですが(笑)、女子大生たちの潜在力は、思っている以上に高いのです。
昨年に引き続き二期目のプロジェクトとなり、記念館との恊働も深まっているのが実感できます。私たちスタッフも想像していた以上の展開に、期待が高まっています!学生だけでなく、スタッフもクタクタな一日でしたが、実はこれからがもっと大変(笑)。まずは中間発表までの1ヶ月間、がんばっていきましょう♪